「新築戸建 注文住宅と建売 どちらを選ぶ?」
新築の一戸建を買おうと思ったときに、あなたはどうしますか? 土地を買って、建物をハウスメーカーに注文して建築してもらう「注文住宅」 または、建売業者が建築した建物を土地とともにを買う「建売住宅」 今回は、その違いをお話したいと思います
1.契約形態と仲介手数料
土地を買ってハウスメーカーに建築をしてもらう場合は、土地については”売買契約”、建物については、ハウスメーカーとの”請負契約”となります。 また、建売業者が建築した建物を土地と共に買う「建売住宅」の場合は、土地・建物の”売買契約”となります 契約形態の違いについて、法的な違いはあるのですが、ここでは契約形態の法的違いには触れず、購入する場合に実際に何が違うのかをお話させていただきます まず、売買契約の場合は、仲介業者が土地や建物の仲介をする場合には、仲介手数料がかかってきます 注文住宅用の土地を仲介業者の紹介で買った場合は、土地についての仲介手数料 建売住宅を仲介業者の紹介で買った場合は、土地・建物について仲介手数料が必要となります ハウスメーカーへ建築を依頼した場合の”請負契約”には、仲介手数料は必要ありません
2.自由度
建売住宅については、建売業者がその土地に合うと思われる建物プランを設計し販売しますので、基本的に間取りや敷地の建物配置などの自由度はありません 例外的に、建売を行うつもりで建売業者が購入した土地について、まだ建築がなされていない場合には、建築後に購入することを条件に、ある程度のプランの融通を利いてくれることもあります 注文住宅の場合は、設計士と相談して、法的に問題ない範囲で、間取りや建物配置、設備や仕様なども自由に決めていくことができます ただ注文住宅だからといって、全ての要望を満たしてもらえるのではなく、建物価格を抑えるために、セミオーダーみたいに、あらかじめ決められたプランや設備し・仕様からのみ選んで決めていくという ハウスメーカーもあります その他、まずは指定されたハウスメーカーで建築することを条件に土地を購入することができるという「建築条件付き宅地」という形態で新築戸建を販売するケースもあります この場合も、土地を買ってから建物プランを設計しますので、ある程度要望を聞いてもらえる場合もあります
3.価格について
注文住宅の場合、建物については仲介手数料が不要です 建売住宅の場合でも、建売業者が直接買主を探して販売している場合(仲介業者は入らない)は、土地建物ともに仲介手数料は不要です だったら、仲介手数料が要らない注文住宅や、直接販売されている建売住宅の方が総額的に安くなると思われる方がおられるかもしれません しかし、注文住宅でも直接販売の建売業者でも、会社として販売経費はかかっていますので、それらの経費は建築費の中に含まれている訳です 建売業者でも、自社では全く販売活動はせずに、仲介業者に販売を委託しているところも、けっこうあります その場合は、成約報酬として建売業者は仲介手数料に支払います こうした建売業者は、自社の営業マンの人件費や広告宣伝費、モデルハウスや立派な事務所などが不要なため、比較的に建築費は安く建てることができるのです 相対的にみると、自社で直接販売している会社の方が、結局高くついているように思われます
4.ブランドとサービス
ブランドという点においては、他の商品でもそうでしょうが、大手ハウスメーカーは大々的にCMを打ち、立派な事務所を構え、モデルハウスなども建てていて、信用できそうだし安心できそう そう思われる方も少なくないと思います たしかに、そうした大手ハウスメーカーにはブランド力というものがあると思います しかし、建物についての安心という点においては、新築を建てる業者については、建物の構造部分雨水の侵入部分については10年間の保証をしなければならない(保証会社加入の義務)し、その他の設備や仕様についても、それぞれ会社独自の保証をうたっているところが大半です なので、安心な建物というのは、供給実績がある会社であれば、大手ハウスメーカーも地域の建売業者も、変わらなくなっているのではと思います
5.結論
ブランドを重視したい人は、金額が高くても大手ハウスメーカーが良いでしょう 自由度が落ちても、金額に対するコストパフォーマンスを選ぶのなら、仲介業者に販売を任せている建売がおすすめです 仲介業者に紹介してもらうと、仲介手数料はかかりますが、先にお話ししたように、建物価格の差で仲介手数料は吸収されますし、なにより第三者の立場で仲介をしてもらえるため(法的にも仲介責任がある)、しっかりと土地や建物や周辺環境などについての調査をし、それらを説明してもらえる(宅建業法の義務)ので、安心して取引ができると思うからです
有限会社アーバンビレッジ 平野秀昭