「新築戸建と中古戸建 どちらを選ぶ?」

1.価格

新築の一戸建が、中古になったときには、どれくらいの価格差があるのでしょうか?
まず、新築戸建の定義としては、建築後1年以内の未入居物件を”新築”と言うことができます
つまり、1年以内であっても、いったん入居してしまう、もしくは未入居でも1年以上経過すると、その家は新築とは言えないのです

では、新築と中古とでの価格差はどれくらいあるのでしょうか?
不動産の価格というものは、その時々の土地価格や需要に左右されるものなので、一概には言えません
新築戸建が4000万円だったとして、その1年後に土地価格が上昇した場合や、そのエリアで戸建の供給が無く希少物件となり(つまり需要が供給を大きく上回っている状態)1年経過の建物の価格の下がりよりも、土地価格の上昇が大きい場合には、1年後に中古戸建となったとしても、4000万円を上回る金額になることもあります

しかし明石市では、ごく一部のエリアを除いて、ここ何十年も土地価格の上昇は見られず、需要が集中するエリアというのも無い(需要が集中するエリアは土地価格の上昇にもなっている)ため、ほとんどの新築戸建は、中古戸建になったときには、既に中古価格として下がっています

では、中古価格になるとどれくらい価格が下がるのでしょうか?

土地価格の変動が無いと仮定すれば、価格の下がり方は、建物価格の値下がりということになります

例えば、1坪あたり30万円の土地面積40坪の一戸建の場合、土地価格としては1200万円です
新築価格が3000万円だったとしたら、建物価格と分譲業者の利益を合わせて1800万円となります
通常の木造2階建て延床面積30坪の建物だとしたら、建築原価は建物1坪あたり45万円として1350万円、分譲業者の粗利益が450万円程度ということになるでしょう

これが中古になると、基本的に分譲業者の粗利益分と、1年経過した建物の減価償却分がマイナスとなるわけです
分譲業者の粗利益は450万円
建物の減価償却分の計算をすると、 1350万円(建物原価)×(1/22)=61万円
となり、450万円+61万円=501万円分がマイナスとなります

つまり、上記の条件での新築戸建は、1年経過すると約2500万円となり、新築価格と比べて25
%のマイナスとなるわけです

これらの計算から解るように、不動産の価値と価格だけを比べてみると、新築を購入するよりは、中古を購入する方が、価格的価値はあると言えるのですが・・・

2.中古に対する新築の価値とは?

では、新築よりも中古の方が割安だから良いと言えるのでしょうか?

①新築の優位性としては、何よりも新品であるということ

特に、浴室やトイレ、キッチンなどの水周りなどは、誰かが使ったものではないということは、気持ち的に大きな優位性があると考えられます

②設備や建具が最新である

家に設置されている設備や建具は、時代とともにメーカーが新商品を開発販売して、デザインや機能が進化しています
つまり、基本的は新しい家の方が、機能性も高くデザイン性にも優れている設備や建具だということが言えます

③保証期間がある

新築を購入した場合には、分譲業者の保証があります
構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分については、分譲業者が10年保証をすることが法律で決まっており、これについては所有者が変わっても保証は引き継がれます

しかし、分譲業者独自のその他の保証については引継ぎができないケースもあり、家の所有者が変わって中古になった場合には基本的には現状のままとして保証はなく、売主買主の個別の契約内容によって数か月程度の(主要構造部等の)責任を売主が負うことになるというのがほとんどです(売主が宅建業者の場合は異なります)

3.新築と中古 どちらを選ぶべきか?

これまでお話してきたように、新築の良さ、中古の良さ、それぞれあります
どちらを選ぶかは、どのように暮らしていくのか?ということも含め
それぞれの価値観によるものですので、どちらが良いとは一概にいうことはできません

また、住宅ローンがどれだけ借りれるのか?
月々のローン支払いに充てることができる金額は?など
金額面でのリミットもあるでしょう

あなたとご家族の考え方や暮らし方を、しっかりと見つめていただき、選んでいくことが大切なのでしょうね

次回は、「新築戸建 ハウスメーカーと建売業者 どちらを選ぶ?」をお話したいと思います
ハウスメーカーと建売業者の違い、それぞれの良い点、注意する点を比較してきます

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有限会社アーバンビレッジ 平野秀昭

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